現在の東京都と埼玉県のほぼ全域、そして神奈川県の一部は、かつて武蔵国と呼ばれる大国でした。この武蔵国の守り神である大國魂大神を祀るために、1900年以上前に創建されたと伝えられるのが、府中市の中心部に鎮座する大國魂神社です。
大化の改新以降、武蔵国の国府(行政の中心となる役所)がこの地に置かれると、同社において国司が国内の祭務を執り行いました。平安時代に入ると、同社は武蔵国の諸神を一か所に合祀する武蔵総社となり、また鎌倉時代以降は、六つの有力神社の祭神を合祀することから六所宮の名で呼ばれることとなります。武蔵国を鎮守する神社として篤く崇拝され、徳川家康が社領五百石を寄進したことでも知られます。家康以後も徳川幕府の庇護下で二度にわたる社殿の大造営が行われました。
そうした長い歴史の中で、同社には為政者から地元の有志にいたるまで様々な人物より貴重な品々が寄進されてきました。それらは社宝として受け継がれ、今もなお大切に保管されています。神社の祭礼行事で使用したと考えられる中・近世の鏡、武蔵国で活躍した刀工集団・下原鍛冶によって制作された刀剣、社殿造営事業に奉行として携わった久世大和守からの珍しい寄進物など、いずれも歴史的史料として非常に高い価値を有しています。
本展は、大國魂神社が所蔵する宝物を社外で一堂に並べる稀有な機会となります。また関連する文書資料などを併せて展示し、同社が信仰の面からはもちろん、経済や文化の面からも武蔵国の中心となっていたことをご紹介します。
展覧会概要
(1) 会 期 2023年7月8日(土)~9月24日(日)
前期:7月8日(土)~8月13日(日)
後期:8月19日(土)~9月24日(日)
(2) 会 場 たましん美術館 (〒190-8681東京都立川市緑町3-4多摩信用金庫本店1F)
(3) 主 催 公益財団法人たましん地域文化財団
(4) 後 援 府中市
(5) 協 力 大國魂神社、府中市教育委員会、府中市郷土の森博物館、国文学研究資料館
(6) 開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
(7) 休 館 日 月曜日、展示替え期間(8月14日~18日)
ただし7月17日(月・祝)は開館し、翌18日(火)を休館とする。9月18日(月・祝)は開館し、翌19日(火)を休館とする。
(8) 入 館 料 一般500円、高校生・大学生300円
以下の該当者は無料
・中学生以下
・障がい者手帳提示者および付添者(1人まで)
・「たましん美術館PASSPORT」提示者
・多摩らいふ倶楽部会員(本人とお連れの方1人まで)
・シニア・スクエア会員(本人とお連れの方1人まで)
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